iPhone のフィルムシミュレーション:仕組みと取り入れ方
フィルムシミュレーションとは、あるフィルムが光景をどう描くかをソフトウェアで再現したモデルです。色、コントラスト、ハイライトでの粘り、そして粒状感。Provia、Velvia、Classic Chrome といった名前付きのルックを持つ Fujifilm のカメラで有名になった言葉です。iPhone に標準で備わってはいませんが、アプリが描画してくれれば同じような描写が得られます。
このページでは、フィルムシミュレーションが何でできているか、フィルターとの違い、iPhone で取り入れる3つの方法、よいシミュレーションの見分け方を説明します。
フィルムシミュレーションとは?
フィルムは種類ごとに光への反応が違います。青が深く緑が冷たいフィルム、影を持ち上げて肌を暖かく写すフィルム。コントラストも、白への溶け方も、粒状感も、それぞれ固有です。フィルムシミュレーションは、その振る舞いをソフトウェアで再現します。
Fujifilm のカメラでは、シミュレーションはカメラの JPEG エンジンの設定です。Classic Chrome を選べば、その描写で JPEG が作られます。保存した時点で写真は完成です。よいシミュレーションは、少なくとも次の4つを備えています。
- トーンカーブ:コントラストと、ハイライトが白飛びせずに白へ移る粘りを決めます。
- 色の応答:どの色相が動き、どれが抑えられ、それぞれの彩度がどうなるか。
- 本物らしい粒状感(デジタルの粒状感が偽物に見える理由)。
- ハレーション(一部のフィルムで明るい光の周りに出る赤い光のにじみ)などのオプション。
iPhone のカメラにない理由
iPhone のカメラアプリにはフォトグラフスタイルがあり、トーンと暖かさを調整できます。よい出発点ですが、フィルムシミュレーションではありません。フィルムの色の応答、粒状感、ハイライトの振る舞いはモデル化していないからです。しかも適用されるのは HEIF の写真だけで、RAW で撮るときフォトグラフスタイルは使えません。
そのため、フィルム表現はアプリに任せることになります。問題はどんな種類のアプリか、です。
iPhone でフィルムシミュレーションを使う3つの方法
- フォトグラフスタイル。 標準搭載で無料、HEIF の撮影時に適用されます。選べるのは Apple が用意したものだけで、RAW には使えません。
- 編集アプリのプリセットやフィルター。 先に撮影し、仕上がった写真にルックを重ねます。種類は膨大ですが、スマートフォンがすでに処理した写真に適用するため、同じプリセットでも写真ごとに見え方が変わります。詳しくはフィルムエミュレーション、プリセット、フィルターの違いで。
- RAW からフィルムを描画するカメラアプリ。 フィルムを RAW のネガに適用し、構図を決めながらライブで確認できます。RAW ファイルが残るので、ルックは焼き込まれません。
iPhone の写真をフィルム風にするガイドでは、アプリを使う方法と使わない方法を含めて3つを比べています。
Chobial での iPhone フィルムシミュレーション
Chobial は3つ目のタイプです。常に RAW で撮影し(iPhone 12 Pro 以降の Pro モデルは Apple ProRAW、そのほかの iPhone はセンサー RAW)、ファインダーの中でフィルムを適用するので、ルックを期待して待つのでなく、ルックの中で構図を決められます。特徴は次のとおりです。
- 標準フィルム24種(カラー15種、モノクロ9種)。Chobial 独自のもので、どのメーカーのコピーでもなく、提携もありません。
- 実際の写真から導き出しました。 標準フィルムの大半は、Fujifilm のカメラが現像した RAW 写真から、カメラ自身のフィルムシミュレーションと突き合わせて導き出しています。4つはカメラのレシピを撮影のまま使って導き出し、Standard は素直な出発点です。方法と、Fujifilm のものとの違いは写真からフィルムシミュレーションを導く方法で。
- 自分で作れます。 フィルムエディタには、フィルムらしいコントロールが揃っています。トーンとハイライトの粘り、カーブ、8バンドのカラーミキサー、スプリットトーン、実在のフィルムを基にした粒状感、ハレーションとブルーム。
.cubeLUT を出発点にすることもできます。 - 何も焼き込みません。 どの写真も、あとで作ったフィルムを含め、任意のフィルムで再現像できます。
- ほかのカメラの RAW ファイルも。 Fujifilm、Sony、Canon、Nikon の RAW ファイルを読み込んで、同じフィルムで現像できます。
iPhone で使う Fujifilm のフィルムシミュレーション
「Fujifilm フィルムシミュレーション iPhone」で検索する人は多くいます。Fujifilm 公式のシミュレーションは iPhone アプリでは提供しておらず、Fujifilm のカメラの中でしか動きません。サードパーティ製の iPhone アプリには、それを模したものがあります。Fuji X Weekly のようなレシピアプリは Fujifilm のカメラを設定するもので、iPhone の撮影内容は変えません。比較は iPhone 向け Fujifilm シミュレーションアプリ、iPhone のフィルムに作り直したレシピは iPhone で Fujifilm レシピにあります。お目当ての機種が X100VI なら、iPhone で同じように撮る方法をご覧ください。
よいフィルムシミュレーションの条件
- RAW で使える。 ハイライトとシャドウのディテールが多いほど、フィルムが形づくれるものも増えます。
- 撮りながら見える。 あとで知るより、ルックの中で構図を決めるほうがいい。
- あとから変えられる。 ルックが JPEG に焼き込まれると、それが最終です。
- 粒状感とハレーションが自然。 粒状感は露出に連動し、光のにじみは画面全体でなく明るい光源の周りにあること。
- 正直な名前。 Portra と名乗って Portra ではないフィルムは、「着想を得た」ルックです。Chobial のフィルムは独自のもので、そう明記しています。
Fujifilm、Provia、Velvia、Classic Chrome は富士フイルム株式会社の商標です。Chobial は Fujifilm とは関係ありません。
よくある質問
フィルムシミュレーションとは?
あるフィルムが光景をどう描くか、つまり色、コントラスト、ハイライトの粘り、粒状感をソフトウェアで再現したモデルです。Provia、Velvia、Classic Chrome といった名前付きのルックを備えた Fujifilm のカメラで広く知られるようになった言葉です。
iPhone にフィルムシミュレーションはありますか?
Fujifilm のカメラにあるような形では、ありません。iPhone のフォトグラフスタイルはトーンと暖かさを調整しますが、HEIF の写真に適用されるもので、RAW で撮るときは使えません。フィルムシミュレーションを使うには、フィルムを描画するアプリが必要です。
iPhone で Fujifilm のフィルムシミュレーションは使えますか?
Fujifilm 公式のものは使えません。Fujifilm のカメラの中で動くものだからです。着想を得たルックを提供する iPhone アプリはいくつかあります。Chobial の標準フィルムの大半は Fujifilm のカメラ自身の RAW 現像から導き出したもので、ファインダーにライブ表示されます。
フィルムシミュレーションはフィルターやプリセットと同じですか?
いいえ。フィルターは仕上がった写真にかける固定の効果、プリセットはスライダー値の保存セットです。フィルムシミュレーションはフィルムそのものをモデル化するので、写真ごとの光に反応します。フィルムエミュレーション、プリセット、フィルターの違いをご覧ください。
フィルムシミュレーションには RAW と HEIF のどちらで撮るべきですか?
RAW です。フィルムシミュレーションはトーンと色を形づくるもので、RAW なら必要なハイライトとシャドウが残ります。あとからフィルムを変えることもできます。フィルム表現の RAW と HEIFをご覧ください。
Chobial は無料ですか?
撮影、現像、編集は無料で、10種のフィルムなら写真の保存も無料で、それらから作ったフィルムも無料で保存できます。Pro のアンロックで、すべてのフィルムでの保存に加え、一括書き出しや DNG 書き出しなどが可能になります。価格は発売時に発表します。